見直しましょう!身近に潜んでいる危険「誤飲」

誤飲に関する問い合わせ件数とその起因物質

子どもは好奇心旺盛ですね。初めて見るもの、興味をもったものをさわりたがり、さらには口に入れて確かめようとします。これは小さなお子さんの自然な確認行動です。このためコインやボタン、電池などを誤飲し、場合によっては窒息し重大な後遺症、死亡事故につながる事があります。上の表は、神奈川県医師会中毒情報相談室が発表した、平成23年度と平成24年度の誤飲に関する問い合わせ件数とその起因物質をまとめたものです。

厚生労働省が発表した報告事例

タバコを誤飲し、初診時は症状がなかったが、誤飲後3時間後に嘔吐した。
(1歳男の子)
タバコは誤飲した4~5時間後に症状が出る事もあるため、受診後も経過観察が必要です。
●兄弟で口腔内崩壊錠(口の中で溶ける薬)の精神薬を合計25錠誤飲し、半昏睡状 態になり入院治療となった。(3歳8か月男の子と2歳4か月女の子)
口腔内崩壊錠は甘くてすぐに溶けるため、お菓子と間違えて大量に誤飲しやすいので注意しましょう。
●居酒屋で母親が目を離したすきに、アルコール飲料を飲んでしまった。
(4歳男の子)
●一人遊びをしていたところ、海苔に付属している石灰乾燥剤を食べてしまった。(1歳2か月女の子)
●父親の仕事場で、仕事用に保管していたペットボトル入りのシンナーを少量飲んで しまった。(2歳3か月男の子)
飲料用の空き缶を灰皿にするのも、誤飲の危険があり大変危険なので止めましょう。

東京都で行った誤飲調査

東京都で行った誤飲調査ではお菓子の包み紙・レジ袋・おまけのシールなどがのどに詰まったりのどに張り付いたという事例が報告されています。一歩間違うと窒息の危険もあるため注意が必要です。
また、「テーブルに置いてあったシロップの風邪薬を2日分全部飲んでしまった」「チューブの軟膏を折り曲げて、破損した部分から出た薬を舐めていた」「胃腸薬を床に落としてしまい見つからず、翌日に子どもが見つけて口に入れていた」といった報告もあり、は保管場所に気を付けるだけでなく、細心の管理が大切です。

誤飲事故を防ぐために

身近にあるものの大きさをチェックし、誤飲の危険があるものは子どもの手の届く範囲に置かないようにすることが大切です。また、子どもは目線が低いので、床に落ちている大人が気づかないものも見つけてしまいます。整理整頓し、子どもの目線で室内の状況を確認しましょう。

  • 直径39mm以内(フィルムケースやトイレットペーパーの芯の直径、大人の手の親指と人差し指で作った輪を通る)ものは誤飲の危険がある。
  • ●足が着いている地点から1mまでの高さには手が届く。

と考え、物の管理をしていきましょう。